2/28、本日は、サケ稚魚の初放流となりました。
耳石温度標識(前期群:2,4nH)を施標したサケ稚魚を含む、約10万尾の放流となりました。
庄川では、サケ稚魚の頭の脳の裏側にある、バランス器官である耳石という器官に標識を施した稚魚を放流しています。
耳石は日周輪を形成する器官で、刺激により、黒色化するという耳石の特性を利用し、卵期に温度変化による刺激を与えることで、耳石にバーコードの様な標識を施したものが、耳石温度標識です。
庄川においては、増殖戦略として、サケ稚魚の放流サイズを大きく(0.8g〜1.0g程度)、放流時期を遅く(2月下旬〜3月中旬中心に)できるよう、飼育、放流に取り組んでおります。
前期群には、2.4nHの耳石温度標識、後期群には、2.6nHの耳石温度標識を施標しています。
水温や飼育期間、放流タイミングの関係で、今回、前期群は、2月下旬に放流し、後期群は3月中旬の放流の予定です。
前期群は、平均1.02gと大きく放流できました。後期群も同じくらいまで、生育させます。放流時期の異なる群にそれぞれ別の標識を施してあるので、回帰親魚の調査から、どちらの時期に放流した方が回帰率が高かったなども知見が得られます。
また、耳石温度標識魚は場内からの流下放流を実施しています。
サケ稚魚への負担を軽減する効果も期待できますので、厳しい環境に放たれましたが、これから元気に成長して、大きくなって帰ってきてくれることを心から願っています。
(S.T)